【1人実質1700円】『ラジェントホテル東京ベイ』宿泊記 格安で"全部ある"ホテル【TDR後泊】
先日東京ディズニーリゾートに遊びに行きましたが、今回はその後泊に使ったホテルのお話です。
ラジェントホテル東京ベイ、2016年に開業した浦安にあるホテルです。
ラブホみたいな色使いだな
ほぼディズニーリゾートからの集客のみを考えたホテルですが、ファミリー向けということもあり同価格帯のビジネスホテルよりもかなり設備が充実しています。
それに加えて(あまり強調するのも失礼な気がしますが)とにかく安い、安すぎる。観光地でかつ金曜宿泊にもかかわらず1人1泊料金が実質1700円(goto適用済み)でした。
ディズニーリゾートにお出かけの際、早起きしなくて済む、あるいは疲れた体に鞭打って帰り道を運転せずに済むと思えば安いものです。
アクセス
ラジェントホテル東京ベイは、正直立地的にはイマイチなところにあります。最寄りの新浦安駅からは約3km、バスかタクシーでないとちょっと遠いところです。
ただしこのホテルの特殊性を考えると、特に問題はありません。おそらく宿泊客の90%はディズニーリゾートの利用客だからです。
ホテルとディズニーリゾートは無料のシャトルバスが順次出ており、これで簡単に移動することができます。ディズニーリゾートから舞浜駅は至近なので鉄道のアクセスも問題ありません。
車の場合、ディズニーリゾートからは15分ほどで到着しますが、混雑時には30分ぐらいかかりますのでその点は注意が必要です。
駐車場は有料ですが(確か1000円で30時間)、無料の宿泊プランも多くあるので車の方は探してみてください。
チェックイン
今回はディズニーリゾート後泊に使いましたので、夜10時頃にチェックイン。
ベイエリア×ファミリーホテルのお手本のような内装です。アンディの部屋みたい。
この写真は朝撮りましたが、チェックイン時は5000000000000人ぐらい並んでいましたので、特にシャトルバスで来る人は注意です。
フロントの近くには簡単なラウンジがあり、チェックインの時間帯であれば無料でドリンクバーも利用できます。
また、電子レンジもあり、聞くと持ち込みの食品で使っても構わないとのことでしたので、ホテルのすぐ隣にあるコンビニで買ったものを温めることもできます。
このラウンジは午前中は閉鎖されていますので注意が必要です。
客室に化粧水などのアメニティはありませんが、必要数をフロントでもらうことができます。
チェックインの際駐車券を出すと、入庫から30時間分は精算されますので、前泊して当日は車をホテルに置きっぱなしにしてシャトルバスでディズニーリゾートに行き、帰ってきて車を回収するということもできます。
ホテルの駐車場はプランによっては無料、ディズニーリゾートの駐車場は土日祝3000円ですので、それを考えたら多少面倒でもアリかもしれません。
客室:スタンダードツイン
今回のお部屋はスタンダードツイン、価格帯としては一番リーズナブルなランクです。
ホテルはコの字形になっており、フロントやエレベーターは中央付近にあるので端っこの部屋はやや遠いかもしれません。
足腰に不安がある人がいる場合エレベーター近くの部屋を希望するのが良いでしょう。
今回のお部屋はこちら、近眼の私に配慮してくれているのでしょうか、異常に部屋番号が大きいですので、間違えることはなさそうです。
客室内はシンプルな構造でハリウッドツインタイプ。大きなソファーと簡単なミニテーブルもあります。ティファニーみたいな色使いがかわいい。
ベッドの左右にはやたら高い位置にあるコンセントと、リーディングライト、ミニテーブルがあり充電も安心。
クローゼットや冷蔵庫もあり、ケトル、化粧鏡、セキュリティボックスなど一通りが揃っています。
他には、靴乾燥機があるのは珍しいですね。2日連続でディズニーリゾートを楽しむ客も多いでしょうから、雨の翌日濡れたままの靴で出かけずに済むのはありがたいことです。
クローゼットの上段天井に鏡があって、不思議に思っていたんですがこれは多分忘れ物を防ぐためなんでしょうね。
最初はなんかうつりそうで怖かったけど。
細かいところまでよく気が利いています。
水回りはこんな感じ。
ベイシンとトイレ、脱衣所で一部屋になっています。歯磨きや髭剃りなど最低限のアメニティは用意されています。
このホテルのいいところは基本的にほとんどの客室で洗い場付きのバスがあることです。
ほぼ家みたいな作りで豪華さはありませんが、この価格帯のホテルでユニットバスでないのはとても評価できます。
ファミリーユースを想定しているので洗い場付きバスなんでしょうね〜、確かに子供がいたらユニットバスなんてそれはもう大変なことになるような気がします。
部屋に豪華さはありませんが、欲しいものは基本的に全て揃っていて全く問題ありません。
館内設備
泥棒のように部屋にある引き出し等を全て開け、客室をチェックした後はホテルを探検します。
■貸出備品コーナー
フロントの近くには貸出備品コーナーがあります。アイロンやズボンプレッサーはよくありますが、いいな〜と思ったのはタオルの使い放題です。
部屋にももともと人数分タオルのセットは用意されていますが、追加で使いたい分を持っていって構わないそうです。もちろん常識の範囲でですが。
私も朝風呂用に1セットお借りしました。
■コインランドリー
全自動洗濯乾燥機ですので、洗濯が終わった後いちいち取りに来なくていいのがありがたいところ。その分ちょっと時間はかかりますが…。
■自動販売機コーナー
ホテルの自動販売機ってなぜあんなにテンションが上がるのでしょうか。
軽食の自販機もあります。ビール500缶が300円ですので、ホテルの自販機としては割と良心的な部類だと思います。
ホテルの隣がコンビニエンスストアになっていますので、あんまり使うことはないのですが夜中に小腹を空かせた時はいいかもしれません。
朝食
このホテルにレストラン設備はありませんが、一応朝食が付いてきます。それはつまりお弁当ということです。
朝ラウンジに行くと人生で見たことないぐらい山盛りの弁当が並んでいて、部屋番号を告げて数種類あるお弁当から好きなものを選びます。
ラウンジ内か、もしくは部屋で食べてもいいとのことだったので持ち帰ってきました。
この日のお弁当はこの2点の他に子供用と思われるソーセージや卵焼きなどが入った小さめのものがありました。
お弁当は千葉の駅弁でお馴染みの万葉軒です。決して高価な部類ではないですがきちんとしたお店のお弁当で嬉しいところ。
朝からトンカツは重いような気もしましたが、食べてみるとやっぱり重かったので、自分の予知能力の高さに感銘を受けました。
でもとても美味しかったですよ。テーマパークに近いホテルということで、朝が早く朝食を食べない人も多いでしょうからお弁当という選択肢になったのでしょうね。
混雑したレストランでバイキングのお盆を持って列で突っ立っているよりは気が楽でよかったです。
宿泊費と総括
金曜チェックイン-土曜チェックアウトの日程でしたが、この日の宿泊費は2名でgo to travelクーポン適用で約4,300円。さらに地域共通クーポンが1000円つくので実質1人1,700円ほどになります。
本来は1,000円する駐車場代も宿泊費に含まれており、朝食もお弁当ですが付いていますから、ほとんどタダで泊まっているようなものです。
ただ、その価格の安さに対してとても質が高いホテルだと思います。
ファミリーホテルなので全体的に子供部屋みたいな雰囲気だったり、水回りのシンプルさだったり、はっきりいって高級感はありません。でもそれはお安いホテルなので当然です。
備品も自分で持っていって使ってね、飯は簡単なものをご自由にどうぞ、その分価格は安くします、というわかりやすい割り切り方は寧ろ好感が持てます。
スタッフも親切な方が多く、要望にはできるだけ応えようという姿勢が嬉しかった。
欲しいものは基本的に"全部ある"ホテルです。
またディズニーリゾートに行く際は宿泊してみたいと思う、お気に入りのホテルが一つできたのでした。
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【TDS】リストランテ・ディ・カナレットで日帰りイタリア旅行
水の都、ヴェネツィア
張り巡らされた水路を行き交うゴンドラ、飛び交うイタリア語、ここはイタリア共和国のヴェネツィア、アドリア海の女王と称される美しい街です。
パラッツォ・カナルと呼ばれる水路沿いを歩けば、*1ゴンドリエ達から「ciao〜!」と陽気な挨拶が飛んできます。
こちらも慌ててチャ、チャオ〜!と返事をすると「(飲み込みが早くて)助かります〜!」と言いながらゴンドリエのお兄さんは通り過ぎて行きました。人助けをすると良い気持ちになります。
ヴェネツィアはもともと干潟に浮かぶ100以上の島々を繋いだ都市です。そのため道路の代わりに水路が発達し、人々の交通手段として船舶が発展してきました。その代表例がゴンドラです。背が低く、幅の狭い船体は複雑な水路や橋の下を航行するために都合がよいというわけです。
水路沿いに"玄関"がある建物も多く、ゴンドラを係留するためのポールと階段が水路に多く設けられています。
移動手段としてのゴンドラの利用は、現在ではもっぱら観光用になってしまいましたが、今でも市民の足としてモーターボートが行き交い、警察や消防も船舶を用いて業務を行うなど、水路が交通の中心となっていることは変わりありません。
そんなヴェネツィアですが、もともと干潟という立地ゆえに高潮の影響を受けやすく、アックアアルタ(acqua alta)と呼ばれる異常潮位現象による洪水被害を受けやすい地域です。
街を歩くと建物の壁に白い線が残っていますが、これが洪水被害の跡です。
人の腰ほどの高さがありますので、その被害が大きさは甚大なものでしょう。
2019年11月にも大規模な洪水が発生し、ベネツィア市長はTwitter上で「この世の終わりのような大惨事だ」と発言しました。気候変動対策条例案を州議会が否決した直後に会議室が浸水被害に遭うという皮肉な出来事でした。
そんな水と生きる都ヴェネツィアですが、今回はその一角にあるリストランテ・ディ・カナレットというイタリアンレストランにお邪魔しました。
アクセス
日本からのアクセスは、空路の場合は舞浜国際空港が至近です。そこから徒歩15分ほどの好立地にヴェネツィアはあります。入境には賄賂が必要で、大人の場合8,200円が相場です。
陸路でのアクセスも可能で、その場合はさらに車一台につき約3,000円の賄賂を求められますが、立体駐車場でかなりエントランスに近く立地が良いためこちらもおすすめです。ただし出国の際、深刻な混雑が予想されますのでお時間に余裕を持って計画を立てて下さい。
リストランテ・ディ・カナレット
ヴェネツィアのイタリアンレストラン、リストランテ・ディ・カナレットは、ポンテ・ディ・ベンヴェヌーティという橋の近くに入り口があります。
この橋はヴェネツィアンゴンドラに乗船中、願い事が叶うと紹介される通称"願い橋"です。
写真左手の橋
エントランスから、トイストーリーマニア、タワー・オブ・テラー方面に抜ける際は必ず通っているかなり幅な広い橋です。
階段を降りてくると出てくるこの建物がイタリアンレストラン、リストランテ・ディ・カナレットです。
入り口にはメニューが置いてあります。私はイタリア語も堪能なため、なんなく読むことができますが、苦手な方は辞書を持ってきましょう。
席は屋内とテラスに分かれています。
高い天井が開放的です。リストランテ・ディ・カナレットとは、カナレットのレストラン、という意味ですがそのカナレットの肖像画が天井近くに描かれています。
カナレットは18世紀を生きたヴェネツィアの景観画家ですが、彼の名を冠したこのレストランはそこかしこに彼の作品が飾られています。
写真右下のちょうどイタリア人のキャストが立っている場所にある石窯は開園当時国内最大のもので、現在は首位陥落したようですがそれでもかなり大型の石窯であることは変わりません。
テラス席に出ると水路から風が吹いてきます。
行き交うゴンドラと挨拶を交わしながら頂く料理もまた美味しいものです。イタリア人の小さな女の子が食事そっちのけでひたすらゴンドラにチャオチャオ言っていました。
テラス席の奥の方は三方が壁で、風が冷たい時期にはこちらも良いでしょう。
水路側には立派な柱が立っていてちょっと景色が見づらいかな、と思いましたがこれはこれで額縁のようで美しいものでもあります。
シェフのおすすめセット
肝心のお食事ですが、コースかセットがメインで、価格は大体25ユーロ〜+ドリンクと言ったところでしょうか。
今回はシェフのおすすめセットをオーダー。前菜、パスタ、ドルチェのセットです。
揺れるキャンドルと行き交うゴンドラを眺めながらのんびり待ちます。お水と一緒にマスクケースも配られました。普段ターキーが入ってるやつ???
前菜がサーブされます。
左からイワシのなんらか、コロッケ、ミクロサイズパイです。ソースはナンチャラベリーだったと思います。
こういうしょっぱい料理にベリーや柑橘のソースがついてくること、よくありますね。それっぽいそれっぽい。
メインのパスタはいくつか選べますが、私はカルボナーラをチョイス。キノコとベーコンがゴロゴロ入っていて大変美味しいです。「脂と塩」といった味が大変わかりやすくて素晴らしいですね。
ドルチェです。もう真ん中に置く時代は終わった。おそらく画家であるカナレットにあやかってパレットをイメージしたお皿だと思いますがかわいいですね。硬めのチョコレートプティングと、カシスソースがよくマッチして美味しいです。
上の窪みに乗っているなんとかというスパイスをつけるとより美味しい、とご説明いただいたのでちょっとつけて頂きましたが味の感想は「砕いたお線香………?」と言った感じでした。
夕景
夕方に入店したのでお食事を終えるとだいぶ日も落ちてきました。
やはりこの街は夜が美しい。夜のパラッツォカナルを散歩するためそろそろお暇することにします。
お会計はテーブルではなく入り口近くのカウンターです。ごちそうさまでした。
「古代インドはいつも初夏だったような気がする」と江國香織先生は言ったけれど、その言葉を借りるならヴェネツィアはいつも夜だった、と言えるかもしれません。冬は夜が長くて美しい季節です。
対岸から見てもテラス席は美しい。
普段はゴンドリエ達のカンツォーネが響き渡る水路ですが、現在は感染症対策のためか歌声は聞こえません。寂しいものですが仕方ありません。
それでも陽気なゴンドリエは船を漕ぎ続けます。食と水運に彩られたアドリア海の女王、ヴェネツィア。
を模した東京ディズニーシーのパラッツォカナルエリアは、見て食べて乗って大満足の街なのでした。
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【一般車両通行止め】紅葉の林道山田入線を歩く(ちょっとだけ)
燃えるような山が我々を出迎えてくれます。ここは長野県高山村の林道です。
紅葉のベストシーズン、今回は長野/群馬県境をさまようツーリングから、屈指の絶景を誇る林道山田入線の様子を少しだけお届けしたいと思います。(なぜなら歩く体力が少しだけしかなかったから)
2020年10月24日、関東地方は前日の雨のおかげで抜けるような青空でした。気温は出発地の埼玉で最高20度、目的地の高山村付近の最高気温は13度ほどで、バイクに乗るのであれば完全に冬装備が必要になる気温です。
同僚といつものコンビニで集合して、関越自動車道を北上、赤城山を超えて長野県高山村を目指します。
雲ひとつない青空に気分が上がりますが、指が動かなくなるほど寒いです。
ちなみに写真に写っている同僚のY君は、自宅の駐輪場にスマホを置き忘れたことに気づき、完全にテンションが下がっています。
「なかったよ」
更にY君のテンションは降下。彼は半年前にもスマホを紛失したので、今はスマホ2台分とバイクに加えて車のローンまで抱える多重債務者です。強く生きてほしい。
赤城山を駆け下り、完成したばかりの八ッ場ダム見学などをしつつ、標高を稼いで行きます。
八ッ場ダムはY君と協議の結果、めでたく※タマスポに認定されました。
※タマがヒュンヒュンするスポットの意
だいぶ価格設定が厳ついことで有名な有料道路、万座ハイウェイを抜けて万座温泉へ。ここからは万座道路を通って長野県側に向かいます。
このあたりの道はいちいち絶景過ぎてなかなか進めません。気になったらとりあえず砂利道でも突っ込めるのがオフ車の良いところです。
Y君の「ヒョェッ…」という肩幅からも分かる通りこちらも玉スポ認定。セドナのような大自然に圧倒されます。セドナに行ったことはありません。
ここからもう少し進むと毛無峠です。
なんとか雲に覆われる前に毛無峠には到達しましたが、暴風であまりの寒さに耐えられず撤退。
風裏になる群馬県側に逃げ帰ってきました。その道中で発見したのが林道山田入線。
高山村が管理する林道です。落石や路面の崩落が多く、現在は通年で一般車両通行止めとなっています。インターネットで調べてみると2000年代前半には車で通ったというような記述もあり、以前は四輪車でも通れるそれなりに整備された林道だったようです。
車両通行止めなのでバイクは入り口に置いておき、歩いてちょっと探索。
このあたりは標高が2000m近いのですでに紅葉は終わってしまっているようでしたが、向こうに見えるおそらく横手山方面かと思いますが、麓からキレイな紅葉が広がっています。
なんて遠くばかり見ていてはいけません。早速路面は荒れ放題。大雨のときに路盤が流出してしまったようです。
ガードレールの支柱もかなり露出しています。もともと地表面に出ていたのは半分以下だったと思われます。
その先にはかなり大胆な切通し、大岩をかち割って道を切り開いたようです。
見下ろす黄金の絨毯に気分が上がります。
はるか眼下にもひしゃげたガードレールが見え、一応まだ道としての体裁を残した林道が続いている様子が見えます。
歩き通した方のブログなどを読むと、路肩が崩壊したりしているものの、徒歩なら踏破できる程度にはまだ道が残っているようです。
今立っているこの道路もいつ崩落してもおかしくない程度には路肩がえぐれています。
道路を取り巻く岩はポロポロとした質感で落石が多いです。あんまり壁際を歩かないほうが良いかもしれません。
あんまり進んで登り返す体力もないので、1kmほどで退散。
海外のような壮大な景色、消えゆく運命にあるであろう林道、自然の力を感じるお散歩でした。今度はしっかり準備をして全長8kmを歩き通してみたい。
滑り込みで紅葉も見ることもできて大満足な林道探索でした。
P.S.良かったね。
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■毛無峠から登山
大人の社会科見学『豊洲市場』でマグロの競り見学
午前5時半、鐘の音が高らかに響き渡ると、競り人の掛け声が威勢よく飛び始めます。
ここは豊洲市場の7街区水産卸売棟、マグロのせり会場です。
2018年にオープンしたばかりの豊洲市場に見学に行ってきました。最新鋭の巨大公設市場、見どころ満載の大人の社会科見学です。
アクセス
豊洲市場は江東区豊洲にあり電車でのアクセスはゆりかもめ「市場前駅」が最寄、駅名の通り目の前にあります。
ただし後述するマグロのせりを見学するためには5時半ごろに到着する必要があるため、電車でのアクセスは近郊の人にしか難しいかもしれません。
(始発は土休日ダイヤで5時18分に到着しますが、それに乗るためにはそもそも5時過ぎには豊洲駅に到着していないといけないので、豊洲の1億円マンションを買うところから人生をやり直す必要がある)
車でアクセスする場合、今までは駐車場がないという問題がありましたが、2020年5月より市場の中に「千客万来パーキング」(458台収容、24時間出入庫、最大1500円)がオープンし、とても便利になりました。
このエリアの24時間最大料金としてなら比較的良心的です。ちなみに私の最寄駅駐車場の24時間最大料金は300円。木で出来た手作りの集金箱に投入していく性善説スタイルです。
まだ眠っている東京を走り抜けて豊洲に向かいます。
「まぐろのせりを見るために早起きをする」という奇特な人種がどれほどいるのかわかりませんが、5時半前の時点ではかなり駐車場は空いていました。
ここからはペデストリアンデッキを抜けて、せりが行われる水産卸売場棟に向かいます。屋根付きなので雨でもありがたいですね。
水産卸売場棟《TUNA Auction》
豊洲市場のマグロのせりは外国人観光客から「ツナオークション」と呼ばれ、かなり人気のある観光地となっているようです。
昨今の情勢から外国人観光客はほとんど居らず、観光業としてはピンチかもしれませんが、ある意味では人が少なくゆっくり見られるチャンスでもあります。
駐車場からは案内に従って行けば大丈夫、5分ほどで着きます。検温をパスして水産仲卸棟に入るとまず巨大クロマグロが迎えてくれます。
全長は2.88m、チェ・ホンマンに換算すると1.32チェ・ホンマンになります。チェ・ホンマンの大きさがよくわかる展示です。
途中にはさかなクンさんのサインもあります。「ギョ開場1周年おめでとうギョざいます」とのことでした。
その先に見えてきましたのがマグロのセリの見学場所です。かなり長い廊下でガラス張りになっています。
この日は大雨で気温も低く、見学客はまばらでした。開業当時は窓が埋め尽くされるほど観光客が来ることもあった様です。
そして眼下に広がる大量のマグロ、1日平均で冷凍マグロが1000本、生マグロ200本の取引があるとのことです。
マグロは尾の部分を切り取り断面を展示しています。仲買人達はここをライトで照らしてじっくり眺めたり、触ってアブラのノリを確かめたりしながら品定めをしています。
到着するとほぼ同時に鐘が響き渡ります。せり開始の合図です。
せり人がお立ち台に上がると、仲買人が集まり「手やり」と呼ばれる符丁を使って値段をオークション方式でつけていきます。
せり人はめざとくそれを察知し、大声で値段を読み上げていきます。一本のマグロのやり取りにかかる時間は数秒〜数十秒、すごいスピードでせりが進んでいき、買い手がついたマグロはどんどん運ばれて行きます。
ガラスで仕切られてはいるもののせり場の音もスピーカーを通して聞こえる様になっていて、丁々発止のやりとりは非常に緊迫感があってこれは面白い。
見学通路はL字型になっていて、後ろからも見渡せます。
これだけの数のマグロが毎日取引されているのだから驚きです。
ちなみに階下にも予約制の見学デッキがあって、せり場と同じ地平で音や匂いを感じながら見学できるスペースがあります。同じ高さなのでやや見づらくもある様ですが、迫力は段違いとの事で今度はそちらも行ってみたいですね。
マグロ等の大物を扱うエリアを背にして反対側には、各種魚介類を扱うエリア。
ここの床が乾くことはおそらく一生ないんでしょう。
縦横無尽にターレが爆走し、発泡スチロールを山積みにしてはどこかに走り去ります。なんとも忙しい光景です。
せりもそろそろ終盤のようですので、続いては朝食を食べに向かいます。朝3時起きなので腹ペコです。
水産仲卸売場棟《飲食・物販店舗》
豊洲市場内に飲食店が固まっているエリアはいくつかありますが、1番大きいのが水産仲卸売場棟の場内飲食店店舗売場です。
せり場からは5分〜10分ほど歩いて向かいます。
市場自体が大きいのはもちろん、道路を挟んでいたりするので棟間の移動が結構大変です。どことなく空港っぽい雰囲気があります。基本的に外のデッキも屋根があるので暑さや雨も多少は防ぐことができます。
水産卸売場棟から水産仲卸売場棟に抜ける途中に管理施設棟を通りますが、こちらにも飲食店があります。
飲食店の利用者の半分以上は長靴を履いた市場関係者です。現在は混雑対策として、関係者しか利用できない飲食店も一部あります。
検温をパスして仲卸売場棟に入ります。こちらには25店舗ほど飲食店が入っていて、海鮮はもちろん、牛丼、インドカレーに洋食などなんでもあります。
景観条例が制定されている古都にありがちなタイプの吉野家
本日のお目当てはこちらの仲家さん。コロナ以前は寿司大と並ぶ屈指のかなりの行列店だったようですが、この日は朝7時頃にスッと入ることができました。先客は2名のみ。
海鮮丼がメインのお店で周囲の相場感からしてもかなり安いです。
座席は10席少々しかなく、市場関係者用と一般客用に分かれています。必ずしも半分というわけではなく、市場関係者の混雑傾向を考えながら席数を配分しているようです。
肝っ玉母ちゃんぽい店員さんに案内され着席。私はなかおち丼を注文。1200円、小鉢と味噌汁もつきます。
これが濃厚な味でうまい。味噌汁もダシが効いていて丁寧な味です。同行者は海鮮丼を注文。このボリュームで1500円です。
店員さんはよく気の利く人で、追加の料理が時間かかるからゆっくり食べててね、とかお水冷たいけど大丈夫?と女性客に聞いたり、忙しなく働いています。市場の女!という感じで非常に気持ちの良い人です。
ご馳走様でした。
腹を満たした後は食後の運動がてら、上階の「魚河岸横丁」に向かいます。
こちらは約70の物販店舗が集合したいわばショッピングモール。プロ仕様の様々な商品が集まります。
http://www.uogashiyokocho.or.jp/guide/
魚河岸横丁に向かう途中にはあの"ターレ"が展示してあります。
ターレは見ての通り貨物運搬用の乗り物ですが、バッテリーで駆動するものがほとんどです。これは建物内であることや、飲食物を扱う場であることから排気ガスを出さないための工夫です。
このため見た目に反してフィーーーンと未来的な音がします。
ちなみにナンバーがついていることからわかるように、公道を走行することもできます。運転に必要な「小型特殊自動車免許」は原付以外の免許の下位免許となっていますので、普通自動車免許などを持っている人であれば誰でも運転できますよ。
市場内を縦横無尽に行き交うターレは見ているだけでも楽しいです。ちょっとヒヤヒヤしますが。
3階から入って4階が魚河岸横丁ですが、2階は本来の機能である仲卸売場です。
上から覗き見ることができます。なんだか昔の商店街を見ているような光景で楽しい気分です。
スッポンは3800円。高いんでしょうか安いんでしょうか。
ようやく本題ですが4階に登って魚河岸横丁へ。様々な店舗がぎっしりと待ち構えています。プロ仕様の店なだけあってラインナップもちょっと特殊です。
海産物ももちろんありますが例えば…
船用品店に
はかりの専門店
包丁のお店もあれば
包装容器のお店なども。
仲卸売場だけあって包装容器関係はかなり充実しています。相場感は分かりませんが、文化祭の買い出しにいいんじゃないでしょうか?豊洲中(あるか知らないけど)でキャビア焼きそばなどを作る際にぜひご利用ください。
場内はなんとなく非日常感に溢れていて、「仲買人の方はぜひ○○をご利用ください」と言った案内放送や、フォークリフトの積載量を指示する張り紙等、やや疎外感がありとても楽しい。
搬入エリアとゲートで繋がっており、ターレや原付が店舗間を行き交います。
ターレに乗ったお兄さんが友達と思われるお店の人に「あ〜ミスった!ごめん轢くかも!轢くかも!」といいながら友達をターレで甘く跳ね、友達もちゃんと約束通り5mぐらい吹っ飛ぶという、おそらく毎日交わされるであろう掛け合いが敢行されていました。
楽しく仕事をすることは何より大切です。
私が一番気に入ったのはこの包装用品店で、スーパーでよく見かけるあの「手づくり」「広告の品」といったステッカーを一枚単位で売ってくれるお店です。
そしてなんとこのステッカー、2シートあたり通常100円のところ…
今ならなんと100円!
値下げ等とは書いていないので別に何も問題もないとは思いますが、景品表示法の隙間を突いてくるアメ横感が気持ちいいです。
こちらでは未使用品の巨大冷蔵庫がアウトレットセール中。
傷物のため、通常132万円のところ今なら77万円。お買い得です。長靴を履いて捩り鉢巻きをしたお父さんが、2分ぐらい真剣に品定めをしていました。ここらの人にとっては「ギリありだな」と思わせる絶妙な値付けの様です。
青果棟
あまり魚河岸横丁にいると余計なものを買ってしまいそうなので(1mのまな板など)、今度は青果棟に向かいます。
青果棟は入るなりかなりポップな印象です。
12本の柱にもそれぞれ旬の青果の色が塗ってあり、入り口から進むごとに季節の移り変わりを感じさせるような演出がなされています。
よく見かけるものから何かわからない野菜まで、様々な青果が並びます。
いまが旬ということもあってマツタケをよく見かけました。
通路を一番奥まで進むとホールになっていて全面ガラス張りの大展望です。
市場と言うとどうしても水産市場を想像してしまいますが、こちらも負けず劣らず巨大。
我々がスーパーで買っている野菜もいつかここを通過してきたのかもしれません。隣に積まれたネギと仲良くなったのも束の間、まいばすけっとに出荷されたりして行くのでしょう。
総括
初めて訪れましたが、思っていたよりも観光客フレンドリーな空間で案内などもわかりやすく、見学施設もとても立派なものでした。見学客用に市場の事を紹介するビジター施設なども用意されており、都としても観光施設の色を強く打ち出しているようです。
おそらく今は以前と比べるとかなり人が少ないのだと思いますが混雑することもなく快適に過ごせたと思います。
ただしせりを見学するのには早朝に来ることが必要で、小売店なども午前10時には閉まる店(!)もあり、せりを見ずともそれなりに早起きが求められます。お昼を食べにくるようだと少し遅いかもしれません。
でもたまには休みの日に早起きしてみるのもまた良いものです。
普段の買い物ではあまり感じられない"流通"という概念を目の当たりにしたのが新鮮で非常に面白かった。都心からほぼ近く、アクセスしやすいところですので是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。
〈社会科見学シリーズ〉
アクティブなメガネ達の強い味方!JINS Switchを買いました。
私は裸眼視力が0.1以下で、日常生活にはメガネが欠かせません。
もうすでにこれまでの人生の半分をメガネとともに過ごし、酸いも甘いもメガネと共有してきた人生でした。
コンタクトレンズを使用することもありますが、ドライアイなのもあり、ダイビングをするときや激しいスポーツをする時など、必要最低限使う程度で、一日中付けているのは体質的になかなか厳しい物がありました。
メガネで生活していると困るのが「サングラス掛けられない問題」です。
週末、長距離を運転しているときや山に登っている時など、紫外線を浴び続けるシーンがままあり、夕方になると目が疲労して辛い事がよくあります。
ということで目を守るべく、JINSから数年前に出たJINS Switchという着脱式のサングラスプレートがついたメガネを買ったのでした。
今日はそんなJINS Switchの記事です。
メガネ達はサングラスが掛けられない問題
※JINS Switchを選んだ理由の話で、本体の紹介は次章なので読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
メガネ・サングラス問題を解決する方法はいくつかあります。
①度付きのサングラスを使う
割とメジャーな方法だと思います。JINSでも、通常のメガネ+5000円で度付きカラーレンズに変更ができ、比較的安価に手に入ります。
一日中外でスポーツをしているときは問題ないのですが、運転中に関してはひとつ注意点があって、トンネルや山奥など暗くなったときに、外すことができないということです。
度が入っているわけですから、はずしたら裸眼。なんにも見えずに勘で運転することになります。これはちょっと困ります。
②オーバーサングラスを使う
オーバーサングラスとは眼鏡の上から掛けられるサングラスです。これで一応すべて解決するのですが、どうしてもサイズが大きくなりますのであまりにもダサい、失礼、スマートではないという唯一にして最大の欠点があります。
中学生のときにめっちゃハマってたHilcrhymeのボーカル、TOCがこんなサングラスしてたな。
③JINS Switchを買う
こうして私はJINS Switchにたどり着いたのでした。
これは通常のメガネの上にサングラスプレートを磁力で貼り付けるもので、プレートを付けているときも外しているときも、見た目にはほとんどわかりません。
最近ではフレームもかなり充実してきて、男女ともに色々と選べるようになってきました。結果としてこれはかなりいい買い物だったと思います。
JINS Switch Sports
今回混入したのは5ラインあるラインナップの内、スポーツカテゴリーのものです。
スポーツモデルと言っても昔のように派手な原色系をつかったりせず、かなり落ち着いているデザインだと思います。
他にもヤクルトの古田プレイングマネージャーのようなザ・スポーツモデル!のハーフリム、なで肩で前髪が重めの男子大学生が掛けてそうなボストンタイプ等スポーツタイプにも数種類あります。
メガネ自体は普通ですが、ちょっと特殊なのは鼻あてでしょうか。フレーム一体型といっていいと思いますが、ズレにくいようにシリコンぽい素材で、ネジ止めなので交換もできそうです。
クリングスタイプの鼻あては、どうしても目とレンズの距離が離れて、矯正視野がせばまるので、運転中は嫌なんですよね。正直慣れの問題だとは思いますが。
それから耳が当たる部分も柔らかい素材が組み合わされていて、バンドで固定するための穴が空いているのも特徴です。実際かけると髪に隠れる部分ですので、デザインとして特に邪魔に感じることはないと思います。人はまず気づかないでしょう。
そしてここ、この銀色の丸いものがSwitchたらしめるものなのですが、ここには磁石が埋め込まれています。
ここにサングラスプレートを貼り付けて使用するわけです。
スポーツモデルの場合、プレートは偏光レンズがついてきます。結構立派な合皮のケースも付属します。
ちなみにトレンドラインには最近流行りのうっっす~~~い色がついたプレートが付属してくるものもあってシャレオツです。
プレートの裏を見てもらえればわかるのですが、ここにも磁石が入っています。
そして上から重ねるように近づけると…
カチッとくっつきます。
以前のモデルは時々風でプレートが吹っ飛ぶことがあったようで、それを防ぐために眉間の部分も引っかかるようになっています。
上から見るとこんな感じ。
真上から見ると流石にちょっと違和感がありますが、正面から見ればメガネの上にプレートを貼り付けているのはわからないと思います。
実際使い心地はどうかというと、やっぱり付けた瞬間は重く感じます。バランスが変わるのである程度はしょうがないと思います。
運転に使うのではあれば全く気にならないと思いますが、テニスのように激しく動くスポーツをするときはどうかな…とも思います。もっとスポーツに寄せた軽量のモデルもあるのでそちらのほうが良いかもしれません。
レンズは可視光透過率14%ほどで、サングラスとしては標準的でしょう。
屋内でも目は見えるかな、というレベルです。実物は写真よりはもう1段階暗く見えます。顔にかけると影になるので更に1段階暗く見えるかもしれません。
実際に運転で使ってみた感想としては、やはり偏光レンズはかなり目が楽になります。
炎天下のギラついた路面や、逆光で見づらい信号などかなり見やすくなりました。あと海も反射がなくなるので、かなりきれいに見えます。これはラッキー。
国産車の多くはUVカットガラスが入っているので心配ないかもしれませんが、外国車の場合多くがUVカットガラスはオプション扱いになっていて素ガラスの車も多いですので、外国車の方は紫外線カットという意味でも重要かもしれません。紫外線透過率は0.1%以下となっています。
それから走行中プレートを外せるのかという点ですが、片手で外せます。これでトンネルも安心。ただし少し慣れが必要かもしれません。安全に配慮して行ってください。
まだ少し運転に使ったぐらいですが、運転に山に釣りにと大活躍してくれる予感です。2020年10月に値下げが行われて全品8000円になりました。普通のメガネより下手したら安いぐらいですので、同じような悩みを抱えるアクティブメガネ諸氏、ぜひご検討ください。
この記事、JINSからお金もらえないかな。
<関連記事>ドライブ関係
首都圏を走る普通列車グリーン車の乗り方、車内の様子
「グリーン車は 4号車と 5号車です。」というアナウンス、首都圏でJRに乗る方はよく聞いたことがあると思います。
そんなアナウンスは私には関係ないものだと思っていましたが、しかし一度乗ってみるとあら快適、なるほどこれはお金を出す価値があるものだと知ったのでした。
私も社会人になるまで一度も乗ったことがなかったグリーン車ですが、今日はそんな普通列車グリーン車の魅力を語りたいと思います。
それから「グリーン車」と検索すると2番目にサジェストされるのが「乗り方」。ご存知の方も多いかもしれませんが、今日は乗り方も簡単にですがお話ししたいと思います。
今回はJR高崎線(上野東京ラインで)熊谷〜横浜まで乗車します。直通1本で着きます、便利なものです。1時間40分の電車旅。
グリーン車とは
グリーン車とはそもそもなんなのか、という事ですが、一言で言えば静かで快適な車両と言えるでしょうか。
車両にもよりますが、グリーン車は普通車より制振性に優れた足回りで揺れが少なくなっています。またモーターがついていないことや、気密性が高いことからかなり音が静かです。
シートはリクライニングシート、テーブルもついており簡単な飲食やその気になれば仕事もできます。
また普通車に比べ混雑していないというのも大きなポイント。普通車は立ち客がいてもグリーン車はガラガラということもよくあります。
乗り降りも当然少ないですので、停車駅のたびに人が出たり入ったり、そういうことに気を遣わなくても良いという点もいいところです。
また、余計にお金がかかるからですが、そうするとやはり客層もある程度絞られるわけで、騒ぐ学生の団体等と鉢合わせる可能性はほとんどありません。まあ時々、酒池肉林の大宴会をやってるおじさんたちもいますけどね…。
ともかく基本的にはその静かさを含んだ快適性(雰囲気含む)、ここにお金を払うというのがグリーン車の考え方です。
グリーン料金(グリーン券の買い方)
そしてそのグリーン車に乗るには前提として当然ですが乗車券(乗車料金)が必要です。どこからどこまで移動するのにいくら、という基本料です。これは普通車に乗るにしろグリーン車に乗るにしろ必要な料金です。
そこにプラスしてグリーン券が必要になります。これはグリーン車に乗るための権利を買う券です。
料金表。
ご覧の通り、まず平日休日で分かれており、休日の方が200円安いです。
また事前に、つまり電車に乗る前に買う料金と、車内で買う料金も異なります。「車内でグリーン券をお求めの場合駅での販売額と異なりますのでご了承ください。」というアナウンスがよくホームで流れていると思います。
というわけで1番安くグリーン車にのるならば、休日に事前購入で乗るというのが1番安くなります。
グリーン券の買い方ですが、モバイルSuicaであればSuicaアプリから購入することができます。
購入したいSuicaを選び「Suicaグリーン券購入」というメニューが出てきますのでタップ。
あとは案内に従って行き先などを入力していくだけ。
グリーン券の購入にはSuicaアプリに登録したクレジットカードか、Apple Payが利用できます。
※SF残高から購入することはできませんので注意が必要です。
購入するとお手持ちのモバイルSuicaにグリーン券情報が登録されます。区間名と未使用と記載されたsuicaグリーン券が追加されたことがわかります。
あとは改札を通って席まで乗り込むことができます。
モバイルSuicaを複数持ちしている人は、どの端末に登録したか忘れないように注意が必要です。時々Apple WatchのSuicaで入場し、ぼ〜っとしたままiPhoneの Suicaで出場しようとして弾かれる、というミスをします。
ICカードのSuicaの場合は駅の券売機、もしくはホーム上に設置されているグリーン券発売機で購入することができます。
ただし、ここでは紙のグリーン券は購入できません。モバイルSuicaもSuicaもない場合、駅の券売機で購入する必要があります。(もしくは車内改札)
注意点ですが、グリーン券は当日にしか買えません。(正確には当日午前4時から)前日に買っておく、ということはできませんので注意が必要です。
後ほど紹介しますが、全席自由席であるという点にも注意が必要です。つまりグリーン券を買っても座れないことがある、ということです。結論から言うと払い戻しはできますが、詳細は後述します。
グリーン券を買ったら乗り込む準備はOKです。
グリーン車の構造
乗る前に簡単にグリーン車の構造についてお話しします。理解しておくと、ホームで待つ位置や混雑時の動き方が変わってきます。
首都圏を走る普通列車グリーン車は、アナウンスの通り大抵4.5号車に位置しています。つまり連続して2両がグリーン車です。
前後の普通車との間の貫通路は、普段は自由に行き来できますが、朝夕のラッシュ帯などはロックされて行き来ができません。当該時間帯は普通車に飛び込んでから、グリーン車に移動するということは不可能ですので注意が必要です。
車両の構造ですがダブルデッカー、二階建て仕様となっています。
1階席、2階席それぞれ好みはあると思いますが、一般的には眺めの良い2階席の方が人気です。(大雨ですけど)
ホームに高低差があったりするとかなり高いところから見下ろす感じで新鮮です。
窓が上まで回りこんでいて爽快なのですが、その分夏は暑く冬は寒いという事も否めません。
空いている可能性が高いのは1階ですので、どちらを取るか考えて動きましょう。
私はホームに入った時の視線が面白くて好きなので1階席が好きです。
地面に近い分揺れも少ないです。酔いやすい人は一階がオススメ。二階席は結構遠心力や揺れを感じることがあります。
ただ一階はやや音がうるさいかもしれません。誤差の範囲だとは思いますが。
電車の中に階段があるのは、昔よく乗った上越新幹線Maxたにがわを思い出します。
残念ながら近々で廃止になってしまうそうですが、スキー列車としてよく活用していました。
また、車両の前後端にはFL席と呼ばれる一階建部分があります。視線は普通車と同じ高さです。
この空間は8席、もしくは12席のみで区切られていてプライベート感が高いです。
複数人でいるとほとんど貸切のような感じになるので旅行の際などは良いかもしれません。ただしもちろん自分達以外のお客様も乗りますから節度を持って利用が必要です。FL席も結構人気が高く、埋まっていることが多い印象ですね。
さて、そんなわけでどの席に向かうか心に決めたら乗車です。
乗車方法
車内に入ったら、頭上のランプが赤ランプの席を探します。その席が空席です。
席に着いたら頭上のsuicaマークに、自分のSuicaをタッチしてください。
グリーン券情報がきちんと登録されていれば、ランプが緑になります。これで大丈夫。車内改札もスルーされます。
席を移動する際は移動先の席に再度タッチします。全席自由席ですので空いていれば席の移動は自由です。
前述しましたが自由席故に空席がない場合もあります。その場合は二つの選択肢があります。一つはそのまま立って乗り続ける、です。グリーン車はデッキなどに立って乗車する場合もグリーン券が必要です。
ですのでグリーン券を購入済みなのであれば、そのまま立って乗車していても何も問題はありません。どこかで空席が出て座れる可能性もあります。
ラッシュ時などには、空席がないのは分かりきっていても、少しでも快適な立ち環境も求めてグリーン券を買う人も多いようです。
もう一つの選択肢は、払い戻し手続きをして降りる(普通車に移動する)と言う選択肢です。満席の場合グリーンアテンダントに申し出れば、証明書を発行してもらえます。これを持って駅の窓口に行けば払い戻しを受けることができます。
実際の空席状況を見る前に買わざるを得ない事前購入は、こういった満席のリスクはありますが、それでも車内での料金より安いと言うメリットがあります。混雑度はある程度事前に予測ができるので、状況によって使い分けるのが良いかもしれません。
グリーン車の設備
グリーン車には先述した車両自体の性能とはまた別に、普通車とは異なる装備があります。
ひとつめは一目瞭然ですがシートです。
リクライニングシートでテーブルやドリンクホルダーもついています。
細かいところで言うとジャケットフック、グリーン車に乗る時は出張等スーツの事も多いですので地味に便利です。
残念ながらコンセントはありません。ただ、横須賀総部快速列車の新型E235系グリーン車には各席にコンセントが配備されるとのことです。
そのほか共用設備として洗面台とトイレがあります。
洗面台があるのは結構便利で、食べ物で手を汚した時なんかに使えます。車両によりますが温水が出てきます。
トイレは新幹線などと同じく真空式、流す時の音にめっちゃビビるというデメリットがありますが、臭いも漏れず快適です。
その他には乗客が利用できる設備ではありませんが、グリーンアテンダントの詰所などがあります。
車内販売がありますので、簡単な飲み物やお菓子の類を購入することができます。重い荷物を持って階段を上り下りするのはなかなか大変そうです。
快適な車内環境を支えてくれるグリーンアテンダントに感謝です。
総括
普通列車で十分なのにわざわざグリーン車なんて…と私も思っていましたが、一度使ってしまうとなかなか抜け出せないのがグリーン車の怖いところです。
公共交通機関があまり得意ではない、という人ほどグリーン車の有用性を感じると思います。やはり車内の雰囲気が普通車とは異なりますから。
1時間程度であればわざわざ…とも思いますが今回のように2時間近く長く乗るのであれば、グリーン車で行くというのもなかなか良いではないか、とご満悦の私を乗せて、列車は横浜駅に入線するのでした。
関連記事(交通系)
奥多摩・日原鍾乳洞 関東最大級の鍾乳洞が東京にある
鍾乳洞と聞くとやはり人里離れた山奥を想像してしまいますが、実は東京都にも関東最大級の鍾乳洞があります。
それが西多摩郡奥多摩町にある「日原鍾乳洞」です。にっぱら、と読みます。
東京とは言っても奥多摩じゃないか、れっきとした人里離れた山奥じゃないかと言われたら返す言葉もございませんが、東京都には違いがありません。
地図上ではほぼ山梨とも言える。
また後述しますが公共交通機関でアクセスができるところ(時間が掛からないとは言っていない)もポイントです。
そんな近くて遠い東京の鍾乳洞、日原鍾乳洞に向かっていきましょう。
アクセス
日原鍾乳洞に公共交通機関で行く場合、最も近い鉄道駅はJR青梅線奥多摩駅です。新宿駅からは普通列車で2時間ほど。そこからは西東京バスに乗り換えてさらに約30分です。
平日は鍾乳洞前のバス停まで行きますが、土休日は少し手前が終点になります。そこからは15分ほど徒歩で登らなければなりません。
自家用車の場合、青梅方面からバイク乗りなら一度は通ったであろう国道411号線、奥多摩の赤路面を通り抜けて同じく奥多摩駅まで向かいます。
駅前の交差点を曲がり日原街道へ、ここからは約10kmの山道をひたすら登ります。
車線は1〜1.5車線ほどの狭小路で所によっては離合できず待避所までバックする必要があります。普段あまり運転されない方は麓からバスを利用したほうが良いかもしれません。
ちなみにこの道は2019年の台風19号で甚大な被害を受けた道でもあります。
(奥多摩町町内災害状況資料より)
http://town.okutama.tokyo.jp/kurashi/bosai/bosai/documents/houkokusyo.pdf
この崩落により日原鍾乳洞とその手前の日原集落は完全に孤立しました。
その約一週間後には足場が仮設橋として組まれ、歩行者が一名ずつ(手荷物40kgまで)は通行できるようになりましたが、車両の通行はできませんでした。
地元住民以外通行が許可されていませんでしたので、当然鍾乳洞も休業。
しかしこの様に2020年5月より、仮設橋により車両も通行できるようになり一般にも開放されています。(大型車は不可)
ちょっとドキドキしながら通過、片側交互通行です。
台風被害に新型コロナウイルスと、このエリアの観光業が負った傷はかなり深そうです。できるだけお金を落としていきたい。
それからこの道ではちょっとだけ珍しいものを見ることができます。
一つはこの標識。
「警笛鳴らせ」の標識です。山奥に行くと時々ありますね。この標識のある場所では「警笛を鳴らさなければならない。」と道路交通法に定められています。
車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
鍾乳洞に着くまで5.6箇所はあったでしょうか。街中ではなかなか鳴らせませんのでこの機会にぶっ放しておきましょう。
もちろん安全確認と徐行も忘れずに。
ストリートビューからお借りしていますが、このように頭上に鉄橋がかかっています。これは奥多摩工業というセメント工場が管理している、曳鉄線と呼ばれる無人トロッコです。
ちょっとだけ山登りすると上からも見られる。
トロッコの中身はセメントの原料でして、この山の奥深くで採掘されたものを工場まで運びます。平日かつ運が良ければひとりでに動いているところを見ることができるでしょう。
そんなわけで走っているだけでちょっと面白い日原街道、終点近くまで行くと駐車場があります。台数は30台ほどでしょうか。枠は広いのですがいかんせん道が狭くて入れづらいですので気をつけて。
わたしは土曜日の朝一、9時のオープンと同時に行きましたが、7割ぐらいは埋まっていました。
連休のお昼頃になったりすると、何kmも駐車待ちの列が出来て、狭い道で転回もできずにっちもさっちもいかないということがあるようですので、早めに行くに越したことはありません。
それから朝イチならば下ってくる車もほとんどないので、離合の心配もほとんどありません。ただし帰りは登ってくる車をひたすらかわしていく必要がありますが…。
駐車場にはちょっとした食堂とトイレがあります。鍾乳洞の入り口にもトイレはありますが、あまり綺麗だとは言えませんのでここで済ませておくことをオススメします。
日原鍾乳洞
車を降りると川の音が聞こえてきます。
日原川の支流です。とても綺麗な川で足をつけると凍えるほど冷たい。
左手の建物で入洞券を買います。大人1人800円。
入り口には解説がありました。この洞は古くから山岳信仰のメッカとして多くの人が訪れましたが、近年になってから東海大学の探検隊によって、のちに新洞と呼ばれるエリアも発見されました。
大きさはなかなかの規模のものであり、早足で行って30分、ゆっくり見れば1時間程。
すでに入り口から冷気が吹いてきます。羽織るものが一枚あった方がいいかもしれません。
入り口の温度計は摂氏9度を示しています。年間通して10度前後だそうです。
洞内は早速狭く、頭をぶつけそうなところがたくさんあります。足元は基本的に整備されているので危険はありません。
少し歩くと案内図があります。大きく分けると真ん中より上が以前より山岳信仰の参詣者が入っていた旧洞。
下にはみ出た大きく円を描いている道が、昭和になってから発見された新洞です。
この鍾乳洞はかなり立体的な構造をしていて、非常に探検感があります。
本洞を奥まで進んでいくと大きなホール状の場所に出ます。
ここはおお…と声が出るところ。なかなかの規模感です。
ライトアップは刻々と変化し、雰囲気もガラッと変わります。
行ったら戻って来られなさそうな階段もある。
このホールが旧洞の終点となっていて、来た道を折り返します。
その途中に新洞への分岐があります。新洞は基本的に一方通行です。
そしてこんな脅しの看板が…。
初手からなるほど看板に偽り無し、とても急なところを登っていきます。
足元は基本的にコンクリで固められているか、鉄階段になっていますので問題ありません。滑りやすいのでその点は注意が必要です。
上の人が転んだら全員終わるぐらいの角度はあります。
階段で一気に上まで登っていきます。
遥か下に登ってきた道が見える。
帰り道は別のルートで降っていきます。
洞内は気温は低いですが、冬に来て上着なんか着たまま登ったら汗をかいてしまうかもしれません。脱ぎ着しやすい服がいいですね。
新洞から旧洞に合流し、ようやく出口です。
割とのんびり回ったので1時間程の滞在でした。
総括
非常に月並みな感想ですが、「東京にこんなところがあるなんて!」と思いました。正直もっとショボいのを想像していましたが、結構な規模で驚きました。
アクセスがあまりいいとは言えませんが、東京近郊の方なら是非一度ぐらいは訪れてみるのも良いかもしれません。
起点となる奥多摩駅周辺は、さまざまなアクティビティのベース基地でもあり、登山にサイクリングに川のレジャー等、楽しみ方はいろいろあります。
また別の記事で書きますが、飲食店やワークショップ、ビジターセンターなどをぶらぶら歩いてみても楽しいところです。
それらと組み合わせて遊びに来て見るのが良いかもしれませんね。なかなか面白い東京再発見でした。
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