首都圏を走る普通列車グリーン車の乗り方、車内の様子
「グリーン車は 4号車と 5号車です。」というアナウンス、首都圏でJRに乗る方はよく聞いたことがあると思います。
そんなアナウンスは私には関係ないものだと思っていましたが、しかし一度乗ってみるとあら快適、なるほどこれはお金を出す価値があるものだと知ったのでした。
私も社会人になるまで一度も乗ったことがなかったグリーン車ですが、今日はそんな普通列車グリーン車の魅力を語りたいと思います。
それから「グリーン車」と検索すると2番目にサジェストされるのが「乗り方」。ご存知の方も多いかもしれませんが、今日は乗り方も簡単にですがお話ししたいと思います。
今回はJR高崎線(上野東京ラインで)熊谷〜横浜まで乗車します。直通1本で着きます、便利なものです。1時間40分の電車旅。
グリーン車とは
グリーン車とはそもそもなんなのか、という事ですが、一言で言えば静かで快適な車両と言えるでしょうか。
車両にもよりますが、グリーン車は普通車より制振性に優れた足回りで揺れが少なくなっています。またモーターがついていないことや、気密性が高いことからかなり音が静かです。
シートはリクライニングシート、テーブルもついており簡単な飲食やその気になれば仕事もできます。
また普通車に比べ混雑していないというのも大きなポイント。普通車は立ち客がいてもグリーン車はガラガラということもよくあります。
乗り降りも当然少ないですので、停車駅のたびに人が出たり入ったり、そういうことに気を遣わなくても良いという点もいいところです。
また、余計にお金がかかるからですが、そうするとやはり客層もある程度絞られるわけで、騒ぐ学生の団体等と鉢合わせる可能性はほとんどありません。まあ時々、酒池肉林の大宴会をやってるおじさんたちもいますけどね…。
ともかく基本的にはその静かさを含んだ快適性(雰囲気含む)、ここにお金を払うというのがグリーン車の考え方です。
グリーン料金(グリーン券の買い方)
そしてそのグリーン車に乗るには前提として当然ですが乗車券(乗車料金)が必要です。どこからどこまで移動するのにいくら、という基本料です。これは普通車に乗るにしろグリーン車に乗るにしろ必要な料金です。
そこにプラスしてグリーン券が必要になります。これはグリーン車に乗るための権利を買う券です。
料金表。
ご覧の通り、まず平日休日で分かれており、休日の方が200円安いです。
また事前に、つまり電車に乗る前に買う料金と、車内で買う料金も異なります。「車内でグリーン券をお求めの場合駅での販売額と異なりますのでご了承ください。」というアナウンスがよくホームで流れていると思います。
というわけで1番安くグリーン車にのるならば、休日に事前購入で乗るというのが1番安くなります。
グリーン券の買い方ですが、モバイルSuicaであればSuicaアプリから購入することができます。
購入したいSuicaを選び「Suicaグリーン券購入」というメニューが出てきますのでタップ。
あとは案内に従って行き先などを入力していくだけ。
グリーン券の購入にはSuicaアプリに登録したクレジットカードか、Apple Payが利用できます。
※SF残高から購入することはできませんので注意が必要です。
購入するとお手持ちのモバイルSuicaにグリーン券情報が登録されます。区間名と未使用と記載されたsuicaグリーン券が追加されたことがわかります。
あとは改札を通って席まで乗り込むことができます。
モバイルSuicaを複数持ちしている人は、どの端末に登録したか忘れないように注意が必要です。時々Apple WatchのSuicaで入場し、ぼ〜っとしたままiPhoneの Suicaで出場しようとして弾かれる、というミスをします。
ICカードのSuicaの場合は駅の券売機、もしくはホーム上に設置されているグリーン券発売機で購入することができます。
ただし、ここでは紙のグリーン券は購入できません。モバイルSuicaもSuicaもない場合、駅の券売機で購入する必要があります。(もしくは車内改札)
注意点ですが、グリーン券は当日にしか買えません。(正確には当日午前4時から)前日に買っておく、ということはできませんので注意が必要です。
後ほど紹介しますが、全席自由席であるという点にも注意が必要です。つまりグリーン券を買っても座れないことがある、ということです。結論から言うと払い戻しはできますが、詳細は後述します。
グリーン券を買ったら乗り込む準備はOKです。
グリーン車の構造
乗る前に簡単にグリーン車の構造についてお話しします。理解しておくと、ホームで待つ位置や混雑時の動き方が変わってきます。
首都圏を走る普通列車グリーン車は、アナウンスの通り大抵4.5号車に位置しています。つまり連続して2両がグリーン車です。
前後の普通車との間の貫通路は、普段は自由に行き来できますが、朝夕のラッシュ帯などはロックされて行き来ができません。当該時間帯は普通車に飛び込んでから、グリーン車に移動するということは不可能ですので注意が必要です。
車両の構造ですがダブルデッカー、二階建て仕様となっています。
1階席、2階席それぞれ好みはあると思いますが、一般的には眺めの良い2階席の方が人気です。(大雨ですけど)
ホームに高低差があったりするとかなり高いところから見下ろす感じで新鮮です。
窓が上まで回りこんでいて爽快なのですが、その分夏は暑く冬は寒いという事も否めません。
空いている可能性が高いのは1階ですので、どちらを取るか考えて動きましょう。
私はホームに入った時の視線が面白くて好きなので1階席が好きです。
地面に近い分揺れも少ないです。酔いやすい人は一階がオススメ。二階席は結構遠心力や揺れを感じることがあります。
ただ一階はやや音がうるさいかもしれません。誤差の範囲だとは思いますが。
電車の中に階段があるのは、昔よく乗った上越新幹線Maxたにがわを思い出します。
残念ながら近々で廃止になってしまうそうですが、スキー列車としてよく活用していました。
また、車両の前後端にはFL席と呼ばれる一階建部分があります。視線は普通車と同じ高さです。
この空間は8席、もしくは12席のみで区切られていてプライベート感が高いです。
複数人でいるとほとんど貸切のような感じになるので旅行の際などは良いかもしれません。ただしもちろん自分達以外のお客様も乗りますから節度を持って利用が必要です。FL席も結構人気が高く、埋まっていることが多い印象ですね。
さて、そんなわけでどの席に向かうか心に決めたら乗車です。
乗車方法
車内に入ったら、頭上のランプが赤ランプの席を探します。その席が空席です。
席に着いたら頭上のsuicaマークに、自分のSuicaをタッチしてください。
グリーン券情報がきちんと登録されていれば、ランプが緑になります。これで大丈夫。車内改札もスルーされます。
席を移動する際は移動先の席に再度タッチします。全席自由席ですので空いていれば席の移動は自由です。
前述しましたが自由席故に空席がない場合もあります。その場合は二つの選択肢があります。一つはそのまま立って乗り続ける、です。グリーン車はデッキなどに立って乗車する場合もグリーン券が必要です。
ですのでグリーン券を購入済みなのであれば、そのまま立って乗車していても何も問題はありません。どこかで空席が出て座れる可能性もあります。
ラッシュ時などには、空席がないのは分かりきっていても、少しでも快適な立ち環境も求めてグリーン券を買う人も多いようです。
もう一つの選択肢は、払い戻し手続きをして降りる(普通車に移動する)と言う選択肢です。満席の場合グリーンアテンダントに申し出れば、証明書を発行してもらえます。これを持って駅の窓口に行けば払い戻しを受けることができます。
実際の空席状況を見る前に買わざるを得ない事前購入は、こういった満席のリスクはありますが、それでも車内での料金より安いと言うメリットがあります。混雑度はある程度事前に予測ができるので、状況によって使い分けるのが良いかもしれません。
グリーン車の設備
グリーン車には先述した車両自体の性能とはまた別に、普通車とは異なる装備があります。
ひとつめは一目瞭然ですがシートです。
リクライニングシートでテーブルやドリンクホルダーもついています。
細かいところで言うとジャケットフック、グリーン車に乗る時は出張等スーツの事も多いですので地味に便利です。
残念ながらコンセントはありません。ただ、横須賀総部快速列車の新型E235系グリーン車には各席にコンセントが配備されるとのことです。
そのほか共用設備として洗面台とトイレがあります。
洗面台があるのは結構便利で、食べ物で手を汚した時なんかに使えます。車両によりますが温水が出てきます。
トイレは新幹線などと同じく真空式、流す時の音にめっちゃビビるというデメリットがありますが、臭いも漏れず快適です。
その他には乗客が利用できる設備ではありませんが、グリーンアテンダントの詰所などがあります。
車内販売がありますので、簡単な飲み物やお菓子の類を購入することができます。重い荷物を持って階段を上り下りするのはなかなか大変そうです。
快適な車内環境を支えてくれるグリーンアテンダントに感謝です。
総括
普通列車で十分なのにわざわざグリーン車なんて…と私も思っていましたが、一度使ってしまうとなかなか抜け出せないのがグリーン車の怖いところです。
公共交通機関があまり得意ではない、という人ほどグリーン車の有用性を感じると思います。やはり車内の雰囲気が普通車とは異なりますから。
1時間程度であればわざわざ…とも思いますが今回のように2時間近く長く乗るのであれば、グリーン車で行くというのもなかなか良いではないか、とご満悦の私を乗せて、列車は横浜駅に入線するのでした。
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