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釣り堀『鱒池』 自分の手で釣ったニジマスを秒で食べていく

一人暮らしをしているとなかなか魚を食べる機会がないのですが、久々に食べる魚はやっぱりうまい。それがさっきまで元気に泳いでいた魚なら尚の事。

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というわけで、釣った魚をその場で調理してくれる釣り堀『鱒池』にお邪魔しました。

tm-masuike.com

 

鱒池は群馬県の南西部の端っこ、上野村にあります。

 上野村は埼玉県と長野県に面し、森林に抱かれた山深い村で、群馬県内で最も人口が少ない自治体です。(2020年の総人口1074名)

ちなみに2002年まで村内にひとつも信号がない村でもありました。何度か訪れていますが確かに信号を見た記憶がありません、数少ない信号はどこにあるんでしょうか…。

 そんな山奥なだけあって東京からのアクセスはちょっと難ありかもしれません。都心からは3時間ほどはかかると思います。

最寄りのインターは上信越道下仁田IC。ネギが有名な町です。下仁田ICを降りてからは山道を30分ほど走ります。途中は狭路が多く集落も点在しているので、運転には十分気をつけてください。

 

昨年の台風の爪痕が多く残っており、山道はがけ崩れによる片側交互通行規制が何箇所も敷かれていました。

4分16秒かと思ったら416秒(約7分)。あとにも先にも、おそらく人生で一番待たされた信号だと思います。

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 甘楽郡南牧村から上野村へは長大な湯ノ沢トンネルを抜けます。このトンネルは2004年に開通しましたが、それまでは急勾配、狭小の塩ノ沢峠を超えるほかなく、高速道路が開通し比較的発展している北部エリアと上野村を繋ぐこのトンネルの開通は住民の悲願だったようです。

 上野村側のトンネル出口には、上野村村長の「上野村を拓くために」という石碑が佇んでいます。

 

この石碑を発見したら直ぐ左手へ、川沿いに沿うように立てられたこの建物が釣り堀『鱒池』です。

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 駐車場は10台ほどあり、まず埋まることはないと思いますが、割とアバンギャルドな線引きがなされていますので駐車に自信のない方は駐車マスの選択肢が狭まるかもしれません。

左手に鱒の供養塔がありますが昭和49年に先代のご主人が建てたものだそうです。

 

車から降りると川のせせらぎが聞こえてきます。この清流は塩ノ沢川。流れは南へ下り、関東一の清流と名高い神流川に合流し、利根川に流れ込みます。

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昨年の7月に神流川で泳ぎましたが、ヨシノボリやアユの魚影が濃く、豊かな生態系を感じました。ヤマメやイワナ釣りのメッカでもあります。いつまでも美しい清流を保っていきたいものです。

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 川を眺めながら建物の方に降りてゆきます。

看板がなければ完全に人ん家。実家に帰ってきたような安心感があります。

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 書いてあるとおりここは民宿も経営しており、登山客などに需要があるようです。

 中に入ると明るい笑顔のお母さんが迎えてくれます。

「釣りますか?」釣り堀だけでなく、食事処としてもやっていますので、最初にそんなことを聞かれます。もちろん釣りますとも。

この釣堀の画期的なところは竿代やエサ代がかからないというところです。ありがたいですね。究極言えば釣れなければ一銭も払わず帰る、ということもあり得ます。

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注意点としては弱ってしまうため釣れた魚の再放流は禁止です。食べ切れる量だけ釣るようにしてください。(捌いたり調理してもらって持ち帰ることも可能です。)

 

バケツと練り餌をもらって外に出ます。練り餌、小中学生の頃にひたすらハマっていたヘラブナ釣りを思い出しておセンチな気分になります。

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 外スロープを降りていくと釣り堀が見えてきます。

奥に見えている2つがメインの釣り堀です。ダバダバとすごい勢いで水が流れ込んでいますが、この水はすぐ脇を流れる塩ノ沢川の清流を取り込んでいます。良い水で、良い魚が育っていることが期待できます。

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 覗き込むとたくさん泳いでいます。全てニジマスです。結構立派なサイズです。

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 竿は釣り堀の脇に置いてあります。コレ以上ないぐらいシンプルな竿、糸、針というセットです。1万円も出してDAIWA BASS Xを買っている自分が愚かしく感じてきました。

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 練り餌を針につけて池へ投じると…。

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2秒ぐらいで掛かります。ギュイーーーンと竿が引かれて元気いっぱいのニジマスが顔を出します。

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超あっけねぇ~!と思いましたが、面白いものでその後急に釣れなくなったり、餌ばかり取られる時もあります。

 

背中の黒い斑紋がニジマスの特徴です。

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結局30分ほどで4匹ほど釣り上げました。

時期になると側面にきれいな虹色の婚姻色が出てきます。それが「虹」鱒の由来とされています。

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 釣り上げた後はお楽しみのお食事です。お店の人にお願いして調理をしてもらいます。

塩焼き、フライ、刺し身など様々に調理していただけます。基本は目方売りで魚の重さによって金額が変わってきますが、一匹400~500円ぐらいになることが多いです。

 また鱒重というお重にして頂くこともできます。

今回は2人で行ったので鱒重を2つとフライ、刺し身で頂くことにしました。

 

食事処は畳敷で6テーブルほどあります。

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この施設全体に言えることですが、建物自体は古いですがとにかく清潔感が高いです。結構こういう山奥にある釣り堀は、ボロくて汚いというのが当たり前だったりするんですがお手洗いなども非常に綺麗で気持ちがいいです。手洗い場なども何箇所かあってスッキリサッパリとした気持ちでお料理を待ちます。

 

さっそく運ばれてきたのが鱒重。

衣をつけてカラッとあげた鱒をたっぷりのタレとからめてお重にしていただきます。

頂いた命、大切に美味しくいただきます。

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油の甘みとタレのしょっぱさが最高。

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名産の十石味噌を使った味噌汁も懐かしい味で気持ちが落ち着きます。

浅漬けと小鉢もついてきますが、小鉢は手作りのこんにゃく、フキ、山菜など季節によって楽しませてくれます。こういうのをうまいと思うようになった、私もそろそろ人生折返しでしょうか。

 

続いてフライ。

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小骨も気にせずにバリボリ食べられます。フワフワッとした優しい食感でこれもうまいよ~~。

 

それから珍しいところで言えば刺し身。

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川魚の刺し身って、あまり馴染みが無いと思いますが、一般に淡水の天然魚には寄生虫が多く、生食に適さないと言われています。

ただしここの鱒は完全養殖のため、その心配なく頂くことができます。コリコリとした食感がとても美味しいですよ。

 

4匹しっかり平らげて、気になるお会計は3000円弱です。

「釣る」という楽しみも込みですから、それを考えるとかなりお安いと思います。

私達が食事をしている間も軽トラに乗って孫を釣れてくるおじいちゃんや、きっと初めて釣りを経験するだろう小さな娘さんを釣れた家族、地元の人と思われる老夫婦などがお店を訪れていました。

こども会や部活の合宿などでもよく使われているようです。

元気なお母さんと、調理場を守るお父さん。自然に抱かれた上野村らしい、素朴で優しい釣り堀でした。

 

 

~近隣ガイド~

①道の駅上野村

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さくら味のソフトクリーム、めちゃうま共和国です。木材を多く使った建物のテラスからは、神流川の清流を眺めることができます。

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②不二洞

関東で一番大きい鍾乳洞です。高低差がありダイナックな洞内は大人からこどもまで楽しめると思います。

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※書きながら思ったのですが、道の駅上野も昨年?リニューアルし、かなりモダンなテラス風の建物になりましたし、不二洞も以前はザ・田舎の鍾乳洞という感じでしたが2年ほど前にコテージ風の受付が誕生しだいぶオシャレになりました。

木材を売りにしている村なので、行政も協力しているのだと思いますがココ数年、名産と観光をうまく組み合わせて頑張っていますね。

ホームページも人口1000人の村とは思えない(といった失礼ですが)高いデザイン性と実践的なUIで素晴らしいと思います。

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www.uenomura.jp

ただの田舎と侮るなかれ、群馬県上野村にぜひ行ってみてください。

 

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