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【日光】旧英国大使館・イタリア大使館別荘記念公園から晩秋の中禅寺湖を望む

自宅です。

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すみません、嘘です。日光・中禅寺湖畔の旧イタリア大使館別荘です。

中禅寺湖は、明治から昭和にかけて国際避暑地として多くの大使館別荘が立ち並ぶエリアでした。今回はその中から一般公開されている「英国大使館別荘」「イタリア大使館別荘」を訪れます。

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華厳の滝男体山に隠れてあまりメジャーではない観光スポットのようですが、実に素晴らしいものでした。

 

アクセス

車の場合、東京エリアからは東北道をひたすら北上してまず宇都宮を目指します。

普段関越や埼玉以南の東北道を走っていると、栃木エリアの東北道はその線形のダイナミックさに驚かされますね。でもずっと3車線で快適です。

宇都宮ICからは日光宇都宮道路に分岐。11月頭に訪れましたが、まだギリギリ紅葉が残る時期で大変素晴らしい道でした。

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燃えるような赤です。

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日光宇都宮道路、もう開通から40年近くになる古い有料道路でそろそろ償還となってもおかしくはない気がするのですが、どうやらあまり儲かっていないようですね。2034年までは料金徴収期間を延長する案が出ているようです。

終点の清滝ICで降りたら、そのまま流れの通り走っていれば中禅寺湖に繋がるいろは坂に入ることができます。ほぼ一本道で導線は良いですが、その分非常に混みやすい所でもあります。

 特に連休や紅葉シーズンは猛烈に混むので、混雑を避けたければ午前中の早い時間に抜けるのが良いかもしれません。

 

本筋とは全く関係ない話ですが4年ぐらい前の冬、友達と仙台まで弾丸車中泊旅行を"しようとした"事がありました。

もう仙台も目前というPAで「あれ?俺家の鍵落としたかも」等と言い出す奴がいて、可能性があるのは途中で寄ったいろは坂の駐車場だけだ…となり、牛タンを目の前にして200km以上も引き返したのでした。

結果的にいろは坂明智平駐車場で見つかり、それはそれで逆にテンションが上がりましたが、結局タイムアウト。仙台には行かずにそのまま千葉の自宅に引き返すことになりました。

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当時通った時は3月で雪が降っており、明智平の駐車場で雪合戦をした。どうやらその時に鍵を落としたようだ。

なんだったんだこの旅行は…という思いを残した明智平。当時は深夜で誰もいませんでしたが、11月頭行楽シーズンの日曜、駐車場待ちは長蛇の列となっていました。

ちなみにいろは坂は上りと下りが完全に分離している2車線道路で、右車線が明智平華厳の滝といった観光名所、左車線が中禅寺湖方面につながります。

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有名な観光地は右側にありますので右車線が混む傾向にありますが、今回訪れた中禅寺湖畔の別荘記念公園へは左車線からスムーズに抜けることができます。

いろは坂を上りきり男体山を目の前にしたら左へ。湖畔の歌ヶ浜駐車場が最寄りの駐車場となります。

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車から降りると、寒い!!

それもそのはずで中禅寺湖の標高は1,269m、日本の10㎢以上の湖では最も標高が高い場所にあるのです。(こういう◯◯の中のさらに◯◯カテゴリーでは"1位!"っていう言い方、ずるいよな)

 

湖畔の遊歩道を行く

駐車場から別荘記念公園までは、遊歩道を通って15分ほど徒歩で向かうことになります。

と思ったけどアラ…?ゲートが現れました。

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でも大丈夫、歩行者は通行可能です。この道は別荘職員の方などが通勤の際に車で通る事もあるようでした。

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 ここからは英国大使館別荘までは500m、イタリア大使館別荘までは約1kmです。道はほぼフラットで舗装されていて足場が悪いところもほとんどありませんので、特に苦労はありません。ただ、水辺で寒いかもしれませんので暖かい格好が良いかと思います。

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 さすがにここまで標高が上がってくると紅葉は終わりかけでした。

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落ち葉を踏みながら歩いて行きます。

 

英国大使館別荘記念公園

5分ほどで英国大使館別荘に到着です。

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入館料はイタリア大使館とセットで300円となっています。(単館200円)

我々が訪れたのは秋の午後3時頃でしたが、この時間が見物には最高の時間だと思いました。西側を向いているこの建物は西日を全面に受け止めて輝いています。

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室内に入ると、広い窓から入る光が暖かく、山向こうに沈んでいく夕日とそれを映す鏡のような湖は実にすばらしい。

この建物で一番好きなところはこの広縁です。

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ありがたいことにソファーが並べられていますので、腰掛けて中禅寺湖を眺めているだけで1日過ごせそうです。

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 この建物はもともと明治時代のイギリス外交官、アーネスト・サトウの個人別荘として建てられたものです。

サトウはこの景色を友人に宛てた手紙の中で「絵に描いたような景色」だと表現していたようですが、なるほどそれも納得です。

サトウの別荘はその後長きに渡りイギリス大使館の別荘として使われることになります。つい10年ほど前まで大使館別荘として現役で使用されており、その後栃木県に寄贈、解体復元工事を経て現在の一般公開に至ります。

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現在の駐日英国全権大使であるポール=マデン氏も外交官時代にこの別荘を時折利用していたとのことで、来館者へのメッセージが飾られていました。

この建物は2階建で、階段を登って2階も見学できます。

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2階から眺める中禅寺湖も美しい。新緑の季節にもまた来たいところです。一人用のソファって海外を感じさせて強く憧れを持ちます。

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ちなみに2階にはカフェも入っていて、スコーンや紅茶も頂けるようです。お嬢様お嬢様した格好がよく似合う線の細い女性が紅茶をお飲みになっていました。

残念ながらこの日はラストオーダーを過ぎていたのですが、今度来た時は是非立ち寄りたいところです。

どこか懐かしさを感じる旧英国大使館別荘、なんとも居心地のいい建物でした。

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イタリア大使館別荘記念公園

続いてイタリア大使館別荘記念公園まで歩を進めます。途中、ボートハウスや桟橋を見かけたので好奇心の赴くまま湖畔まで降りてみます。f:id:yosk_nkjm:20201119231851j:image

写真だと上手く表現できないですが、水が綺麗ですね〜。下手な海よりよほど綺麗で泳ぎたくなります。夏は気持ちいいでしょうね。

5分ほど歩くと見えてきました。チェック柄の外壁が特徴的なイタリア大使館別荘です。

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 裏手から中に入りますが、入った途端この景色です。

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これはすごいな〜。窓が大きいって、素晴らしいですね。

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心なしか時がゆっくり流れていきます。
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老婆が猫を愛でながら暖炉のそばで読書をしていたり、金髪碧眼の双子少女が広縁で仲良くもたれあって寝ている様子が浮かびます。思春期に話す友達が少なく妄想の海を泳ぎ続けていると、脳のそういう部分だけが異常に発達します。

特徴的な見た目をしている天井や壁ですが、杉の皮張りになっています。

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設計士が地元の大工に相談し、暖かみのあるこの素材を使用したとのこと。そこに幾何学的な模様を組み合わせるセンスが面白いですね。

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メンテナンスが大変そうですが、実際どうなんでしょう。

こちらの建物も広縁が大きくとってあり、光を目一杯取り込んでいます。

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 また南側にもサンルームがあり、こちらでコーヒーを頂くことができます。

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気温としては夕方でだいぶ低かったはずですがこの部屋は太陽の恩恵を受けてとても暖かいです。ここでゴールデンレトリバーを撫でたい。

2階に向かいます。ここもガラスが嵌められていて、湖に反射する光をできるだけ取り込む工夫がなされています。

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 2階は寝室です。この一部屋が私の自宅全体と同じぐらいの面積です。外交官っていいな〜。

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 廊下に休憩室があって、「は?別荘にいる時点で休憩みたいなもんだろ…」と思ったんですがこれは多分"使用人"のための休憩室なんですよね…。

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使用人ていう概念が…概念がなかったもんで…私めが大変失礼しました…お恥ずかしい…。

朝カーテンを開けてこんな景色だったらきっといい日になりますね。

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海沿いに住みたいと思ったことはあるけれど、湖沿いって考えたこともなかった。でも海沿いのデメリットがほとんどなさそうでいいかもしれません。

建物の目の前には桟橋があり、昔はボート遊びに興じたようです。

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ボートやフライフィッシングといった西洋の遊びが外交官たちによって持ち込まれ、ここ中禅寺湖から広がっていったと言われています。今でも奥日光はフライフィッシングの聖地として釣り人を魅了してやみません。

こちらは湖側から回り込んだ南側からの外観ですが、チェックだったりボーダーだったり面白い見た目をしています。

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 下の写真の英国大使館別荘は実に質実剛健と言った感じですが、それと比べるとイタリア大使館別荘はイタリアらしい遊び心のある外観だなと感じました。

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 それでは、名残惜しいですが、そろそろ日も落ちてきたので帰るとしましょう。

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総括

上野の旧岩崎邸や江戸東京たてもの園高橋是清邸など、何度でも訪れたいと思う建物がいくつかあるのですが、今回の建物もそこに加わりました。

ありがたいことに入館料も安く、華厳の滝のエレベーターが大行列を作っているような日でも特に混雑せず落ち着いて見学ができるのも良いですね。

今回はやや遅かったですが、紅葉の時期でかつ特徴的な西向きの大窓からの光が入る午後に見学したのでその美しさも際立っていました。

今度はまた新緑の季節にも訪れてみたいと思います。